司馬遼太郎、カポーティ、『西洋美術史から日本が見える』か? 

前回(9月10日)メモしてから今日までの間に読んだ本を。

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
『坂の上の雲〈1〉』 学問で身を立てる、立身出世、青年の野心と国家の発展が一致していた時代の青春譚。秋山真之とその兄・秋山好古正岡子規、みんなキャラクターが濃い!正岡子規は回りくどい男だと思った。秋山兄弟はキレがあって男くさい(惹かれた)。
坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)
『坂の上の雲〈2〉』 第二巻もまだ青春譚。日清戦争がはじまる。劇画みたいな描写がちょっと読みづらくなってきた。
叶えられた祈り (新潮文庫)
『叶えられた祈り』 喫茶店やレストラン、電車で聞こえてきた会話がどんなに面白くても、他人の会話を楽しんでしまった後は少し空が曇る。そんな読後感が残った。
西洋美術史から日本が見える (PHP新書)
『西洋美術史から日本が見える』 日本で暮らしている自分が西洋美術に触れることにどういう意味があるのか考えていたから、タイトルに寄せられて読んでみた。
この新書を読んで得た結論:興味があるならやればいい、意味はあとから見つかるかもしれないし、意味がなくても楽しめればいい。

SLY AND THE FAMILY STONE - IN TIME


早急に手に入れなければならない書籍を、どう検索してもネットの書店では「在庫なし」であることが分かって手に汗握り始めたころ、《IN TIME》のイントロが聴こえた。心の中で。
最後に聴いたのがいつだったのか、記憶にないくらい眠らせていたアルバム『FRESH』をCDを詰め込んだワゴンから見つけ出してかけた。
ずっと聴いていなくても、棄ててはいけないCDのことを考えた。

 魔の山〈上〉 トーマス・マン “物語というものは過ぎ去ったことでなくてはならないからである。”

魔の山〈上〉 (岩波文庫)
まえがきが面白くて行きつ戻りつ何度も読んで、今日やっと第1章に入った。

時という不思議な現象(エレメント)の問題性と特殊な二重性にひとまずかるく読者の注意を呼びさましておくことにしたい。

転回点になるような、強いインパクトをもつ出来事の前に起きたことは、実際に経過した時間よりも過去になる、それも転回点の直前であるほど“過去の度合い”は深くなる・・・という話(だと思う)。
自立する文庫本(上巻598ページ、下巻690ページ)のまえがきは、2ページと3行しかなくても、それにふさわしい広がりを持っていた。「長さ」のあるものは何にでも二重性があるということ?

アン・リー監督とは知らなかった!

いつか晴れた日に [DVD]
エマ・トンプソン脚本、アン・リー監督
原作はジェーン・オースティン『分別と多感』
遺産は男子しか相続することができず、アッパー・ミドル・クラス女子には仕事をすることも許されなかった時代の結婚を巡る悲喜こもごも。
性格の異なる姉妹、ひとりの恋愛ドラマに登場人物一同が巻き込まれる、片思いの男、モテる男には秘密がある(金銭問題など)、しっかり者も最後には思いを遂げるetc.ジェーン・オースティン作品の定石を踏んだストーリー展開には水戸黄門のような安定感があり、ほどよく飽きながら観られる。
疲れているときは、このくらいのテンションの映画を観るに限る。